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連載(2)- ナミちゃんが投げかけたメッセージ

 私がシャチに興味を持ち始めたのは、平成22年(2010年)11月。それから、毎日、インターネットで調べては、書籍、論文をあさって読んだ。
 気になるシャチがいた。(以下、敬称略) Lolita(マイアミ)、Katina(フロリダ)、Kiska(オンタリオ)、Ulises(カリフォルニア)、Kyuquot(テキサス)、Nalani(フロリダ)とララ(鴨川シーワールド)、ナミ(名古屋港水族館)だ。

 ナミちゃんの逝去に際して、わたしは図らずも、感情的なコメントを人様のブログで「発信」してしまった。そのときは、「ナミの命・生涯に思いをはせて。命の問題を慎重に考えて。ナミの死因・飼育環境を徹底検証しない限り、名古屋港水族館はシャチの飼育に言及する資格はない。」という気持ちで一杯だった。

 どうしても、野生動物を見ると、人間に捕まっていなかったら、どこでどんな暮らしを歩んでいたんだろう・・と考えてしまう。
 ナミの場合は、シャチの生態を考えると、女系集団(*1)の中で、母やおば、姉妹と力を合わせながら、自分や群の中の子の養育に明け暮れていたのかなと想像する。あるいは、座礁した仲間を救おうとして、自らの命を落としていたかもしれない。少なくとも、見知らぬ10数名の人に取り囲まれて、水を落としたプールで最期を迎えることはなかったと思う。

 ナミの死から、2週間以上たっても考えてしまうのは、ナミの命の意義・ナミが人間に管理される世界にやってきた意味なのである。
 ナミは国内で飼育されているシャチの中でも数奇な運命を辿ったように、私には思える。

 (わたしはシャチファン歴が数ヶ月なので、間違っていたら指摘してほしい)
 捕獲されてから(1985年)、名古屋港水族館へ移るまで(2010年)の24年間、ナミは和歌山でずっと独りで飼育されている。
 1997年以降はクーちゃん(2008年9月に死亡、享年推定年齢18歳)も太地町にいたはずだが、ナミがクーちゃんと一緒に飼育されていたという記録もない。
 米国シーワールドとか、鴨川シーワールド(KSW)からブリーディングローンの話は無かったのだろうか。KSWの雄のオスカー(*2)は、少なくとも2007年まで14年間はパートナーのいない生活を送っていたわけだが、ナミに縁組を求める話はなかったのだろうか。

 誤解を恐れずに言えば、ナミは、鴨川シーワールドや米国シーワールドのシャチと比較すると、「存在感」が薄かったように思える。和歌山の入り江で、まったりと暮らしていた。アクセスの悪い水族館へ足を運ぶファンもいたとは思うが。私は、「スター動物」を仕立て上げ集客を目指す方法は好きではないが、少なくとも、後に5億円でトレードされる生き物にしては、地味な扱いだったと思えてならない(←和歌山での生活は、1つの命を1つの命として扱う、それが良かったという考えもあるが)。不適切な言い方かもしれないが、ナミが太地町の入り江で生涯を終えていたら、こんなにはインターネット上で騒ぎにはなってなかったと思う。

 昨年(2010年)6月に名古屋港水族館へやってきてからの生活を、ナミ自身はどう思っていたのだろう。頻繁にカメラを構えたファンが通い、一挙一動が、写真・動画でインターネット上で紹介される。
 インターネット上の動画では、観客に背を向けて、プールの水門近くにいる様子をよく見たが、長く暮らした太地町の入り江の桟橋を思い出していたのだろうか。

 24年間の耳目を集めない入り江での暮らしと、名古屋での7ヶ月のスター生活。ナミの数奇な人生には深いメッセージがあるように思えてならない。

 先にも書いたが、当初は、「野生動物の命との接し方を真剣に考えろ。ナミが亡くなって数時間もたたないのに、次のシャチの飼育に言及する水族館が野生動物を飼う資格はない」と怒りにも似た気持ちをもった。

 今は、奇しくもCOP 10開催の年に、開催地である名古屋(*3)にやってきたナミの死には深い意味がある、それは何かを、真剣に冷静にじっくりと考えたいと思っている。(くわしくは、ナミちゃんの悲しい死、ビンゴステラブリーディング問題を参照されたい)



(*1) シャチのメスは、その生涯を自分が生まれた群(あるいはそこから派生した群)の中で送ることが知られ(母系集団)、子は母親だけでなく、おばや姉達からのケアも受けながら育てられる。(出典:東京大学海洋研究所「海の環境100の危機」東京書籍 P52)
(*2)1988年に鴨川シーワールドへ搬入された雄シャチ。1993年9月にマギーと繁殖活動が目撃されたが、先住のビンゴにマギー、ステラは奪われ、2008年にラビー(ビンゴ・ステラの第1子)との間に、アース(2008.10.13生)をなす。
(*3)生物多様性条約の締結国会議(COP10)で、2010年10月、日本、名古屋は沸いた。

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